Ruby Bnr 680

8/23にデビューアルバム『Traffic Lights』をリリースしたRuby Francis(ルビー・フランシス)。Odd Futureに続く次世代シーンを牽引するフィメールクリエイターの彼女にメールインタビューを敢行。その音楽性やコンセプトなどを自身の言葉で語ってもらった。

Q1. ロンドンを活動拠点にされているようですが、ロンドンで暮らしていることで音楽に与える影響があれば教えてください。またお父さんがミュージシャンだと聞きましたが、そのことが与える影響もありますか?

ロンドンは世界で最も多様性のある都市の一つよ。あらゆる人種がいて、多種多様な音楽にいつも触れることができるの。いろんなバックグラウンドを持った友人がいて、彼らと一緒に音楽を作ることで私自身の音楽にも本当にいろんな影響を受けているわね。そんなロンドンを誇りに思うし、大好きよ。

そう、私の父はベースプレイヤーとして長年いろんなバンドでプレイしてきたの。その影響もあってLevel 42やGeorge Duke、Chaka Khanといった70年代から80年代のベースギターやシンセベースサウンド聴いて育ったわ。

 

Q2. Chaka KhanやLevel42といったアーティストの名前が出ましたが、一方ではOdd Futureやディスコ、エレクトロニック系のクリエイターのヴァイヴスもあなたの音楽からは感じます。もう少しだけ詳しく音楽背景を教えていただけますか?

その通りよ。私の両親は本当に大量のレコード・コレクションを持っていて、小さい頃はさっき言ったようなアーティストの世代の音楽を聴いて育ったわ。でも母はJill ScottやD’Angelo、India Arieといったネオソウル系の音楽をかけていたことも多かったの。大きくなって自分で音楽を探すようになってからは、Pharrellや彼の関わるプロジェクト全般(N*E*R*DとかNeptunes)、J Dilla、Slum Village、Erykah Baduとかに夢中になったわ。Odd Future周りのよりエレクトロニックな最近の音楽に関しては、インターネットと通してもっと後になってから出会ったわ。最近のアーティストの多くが私と同じような音楽的影響を受けてきたはずだから、自然と彼らのサウンドに引き寄せられるんだと思うわ。

でも影響を受けたのはR&Bだけじゃないの。シンガーソングライターとしてBjorkやJoni Mitchellの大ファンでもあるし、Sergio MendesやJoao Gilbertoといったブラジル〜ラテン音楽も大好きよ。13歳の時にはMarilyn Mansonに夢中になってコンサートにも行ったくらいよ!

 

Q3. デビューから3年弱と伺っているのですが、オフィシャルのデビュー曲は1年前にSoundCloudでリリースした”Move”ですか?

気づいた時にはもうピアノを弾いていたし音楽には常に囲まれていたけど、プロとしてやっていこうと決めたのは3〜4年前だったと思うわ。SoundCloud上に正式にアップしたのは「On My Knees」が初めてで、「Move」は2番目だったけど一番世間の注目を浴びたという意味では確かにそうとも言えるかもしれないわね。再生回数が急速に増えていくのが嬉しかったわ!MNEKや Jarreau VandalといったSoundCloudでたくさんのフォロワーを持つ素晴らしいアーティストがリポストしてくれたおかげね。

でもプロとしてのデビュー曲という意味では、「Move」よりも「Fall Asleep」のほうがふさわしいかもしれないわ。「Fall Asleep」をリリースするタイミングから正式にマネジメントが付いて色々とガイドしてくれて、SpotifyやiTunesといったプラットフォームでストリーミングしたりダウンロード購入したりできたりするようになったから。それ以前は、「Move」に関してはSoundloud上でしか聴くことができなかったしね。

 

 

Q4. 今年のはじめに、女性プロデューサー/DJのクロエ・マティーニと一緒にエド・シーランの”Shape of You”をカバーしてましたが、クロエとはどのような繋がりだったのでしょう?

Chloeは素晴らしい人よ。彼女の音楽を1、2年間フォローし続けていていたら、彼女がTwitterで私の音楽が好きだってメッセージをくれたの!本当に嬉しかったわ!ロンドンのセッションで会ってすぐに意気投合して音楽のパートナーであり友達になったわ。素晴らしい影響を与えてくれる存在で本当に素晴らしいプロデューサーよ。才能ある女性プロデューサー/DJが音楽業界で活躍していることがわかって嬉しく思うわ。

 

 

Q5. 曲をご自身で作られていますが、どんな楽器を使ってらっしゃるのでしょう?もし楽曲制作時、特に今作の制作において使用した機材を教えてください。

さっきも触れた通り気づいた時にはピアノを弾いていて、10代半ばで歌を始めたんだけど、楽曲制作は学校でGarage Bandを習ったのが最初ね。その後Logicに移行して作曲するようになったわ。今回のアルバムで私がプロデュースした曲のほぼ全てはLogic Xで作ったの。ベースラインやヴォーカル、ドラムのリズムパターン、コード……同時にいろんなアイディアを思いつくから瞬時に作れるLogicが私にとって一番便利なツールなの。複数のアイディアを一箇所にまとめられるのが素晴らしいわ。

 

Q6. 今作に収録されたうち4曲がEP『Night Time Therapy』にも収録されていますが、このEPのコンセプトはアルバム『Traffic Lights』と同じですか?また『Traffic Lights』というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

そうね、『Night Time Therapy』は『Traffic Lights』と似たようなコンセプトとも言えるわ。『Night Time Therapy』はより大きなイメージを持った『Traffic Lights』のスニペットといった感じかしら。『Traffic Lights』というタイトルは、赤、黄、緑と色が変わる信号のように様々なムードや感情が込められたアルバムの曲をリスナーそれぞれが自由に感じてくれればという思いから付けたの!それと、このアルバムに収録されている全楽曲がこの4年間で書かれているから、その4年の間に少女(ガール)から大人の女性(ウーマン)に成長していく過程も見て取れるのではないかしら。

 

Q7. Kwame Kwatenがプロデューサーとしてクレジットされていますね。彼はD-Infuenceのメンバーでもありますが、どのように彼と繋がったのですか?また、彼との制作の仕方はどんな感じなのでしょう?

実は、Kwameとは彼の息子であるNK-ONを通じて繋がったの。NK-ONも素晴らしいプロデューサーなんだけど、私の音楽を気に入ってくれて「一緒に何かしないか」って2016年の5月にSoundCloud上でメッセージをくれたの!彼の音楽をチェックしてみたら、本当に最高で。一緒にスタジオに入ったらすぐにビビッときて一瞬のうちにたくさんの音楽ができたわ。「Fall Asleep」や「Complicate Our Love」、「Drip Drop」、「Hello to my Power」もそのうちの楽曲で、それ以外にもたくさん作ったわ。

そうしてNK-OKの自宅で制作をしている時に、クワメを紹介してもらって、私の音楽やNK-ONと一緒に作った音楽を気に入ってくれたみたいで。ある日彼からFerocious Talentでマネジメントを任せてくれないかと言われたの!本当に嬉しくて躊躇することなくすぐにYESと答えたんだけどそのことを一度も後悔したことはないわ。クワメとFerociousのマネジメントチームは本当に素晴らしくて、私は本当に恵まれているわ!

 

Q8. それでは最後に、あなたの音楽を一言で表すとしたらなんと表現しますか?

「ファンカリシャス(Funkalicious)」よ!