トロントを拠点に、プロデューサー/シンガー/ソングライター/DJとして活躍するMcCallaman(マカラマン)。1stアルバム『It Takes Two』の日本盤を5月16日にリリースした彼の楽曲制作のプロセスや、Franc Oceanがフェイバリットにあげたことでも話題となったGoldLinkの“When I Die”の制作にいたるまでの秘話など、そのキャリアにフォーカスした。

McCallaman Interview

-トロントのカナダご出身ですよね。どんなタイプの音楽、アーティストに影響を受けましたか?

Michael Jacksonをはじめ、Backstreet Boys、Nsync、Britney Spearsなどいろんなポップアーティストから影響を受けたね。僕は信心深い家庭で育ったから、小さい頃はポップスやゴスペル、インストゥルメンタル・ミュージックであれば誰にも怒られずに聞ける音楽だったんだよ。今僕は26歳なんだけど、成長するにつれて自分の音楽的興味がラップ、ヒップホップ、パンク、エレクトリックやロックに広がっていったね。

 

-他に尊敬しているアーティストがいれば教えてもらえますか?

Kendrick Lamar, Frank Ocean, Robert Glasper, Quincy Jones, Deadmau5, Michael Jackson, Jhene Aiko, Doja Cat, Mr. Carmack, Herbie Hancock, Dave Chappelleだね。

 

– 2015年辺りにシングルをリリースされていますが、正式なデビューはいつですか?

僕の正式なデビューは2015年の8月、 “Black Pop”というタイトルのEPだよ。そのEPには5曲入っていて、僕のスタイルやトロントにいた友達、Tika, Clairmont The Second, & Sydanieの声をフューチャーしたものだったね。これは僕が自分の声を自分のビートに初めて使った作品でもあったんだ。もともとはシンガー兼ソングライターの仕事を本格的に始める前に、僕の声(ヴォーカル)に対するオーディエンスのリアクションを探ろうっていう実験的なアイデアから作った作品だよ。

 

-GoldLinkの‘When I Die’のプロデュースもされていますが、彼とパートナーになったきっかけは何ですか?

何年か前にSoundCloudを通して初めて知り合ったんだ。僕がSoundCloudに載せたビートを使ってもいいかって彼に聞かれたのが最初さ。その頃彼はGold Link Jamesとして活動していて、その才能溢れるサウンドが既に注目を集めていた頃だね。そこから出来た曲“7 Golden Lampstands”は未だに僕のお気に入りのコラボレーション作品さ。それからも連絡を取り続けていて、僕は彼に自分のビートを送り続けてるんだ。“When I Die” と“After You Left”は僕が彼のためにプロデュースした次の二曲さ。

 

 

– Mariamiの2015年のアルバムにもプロデューサーとして参加されていた様ですが、彼女との関係性はどの様なものなのでしょうか?

Mariamiと僕は似た音楽性や音楽に対する才能を持っていて、それをシェアすることで素晴らしい関係性を築けているね。お互いの音楽やアイデアをメールでやりとりするところから始まって、最終的にはニューヨークで直接会ったんだ。トロントからもそんなに遠くない場所だったしね。

 

– ご自身の音楽を自分自身でプロデュースされていますが、いつもどうやってサウンドや歌詞を作っているのですか?どの様な設備、楽器を使っているのかとても興味があるのですが。

最初にサウンドを固めてから次に歌詞をのせるね。僕はいつも自分が何を歌いたいかを見つける前にビートや音楽的要素を先に作るんだ。そこで出来た音楽のムードによって曲のテーマが決まって、それに合うキーワードを探していくんだ。
機材に関しては、僕のサウンドの80%以上はKORGのシンセサイザーで作っているね。そこにコンピューターでドラムをプログラミングしていくのさ。最近ドラムのサンプラーとデジタルミキサーを買ったんだけど、それから自分のやり方が劇的に変わったよ。もちろん良い方向にね。

 

 

-アルバムでフューチャーされているこの二人の女性シンガー、Talia Taylor とRoniについて教えてください。どこで出会ったのでしょうか?

Talia TaylorとRoniはLAで活動してる素晴らしい女性シンガー達さ。彼女たちと出会ったきっかけもSoundCloudで、そこで初めて彼女達の歌を聞いたんだ。彼女達の声のトーンはこのアルバムに必要不可欠なものだと感じたよ。
彼女達は共に才能あるプロデューサーであり、シンガーソングライターなんだ。Taliaが送って来てくれたデモテープを元にして“Come Find Me”を作ったし、Roniとは前に彼女のシンングルで仕事をしたことがあったから、今回連絡を取るのは自然な流れだった。二人ともビジョンを理解してくれて、本当に感謝している。

 

 

– ‘You Got A Friend’はCarole Kingの‘You’ve Got A Friend’をリメイクしていますが、なぜこの曲を選んだのですか?また”Lovely”でもStevie Wonderの “Isn’t She Lovely”に出て来る歌詞を引用していますが、これらのアイデアはどこから来たものなのですか?他にもこの様な曲はあるのでしょうか?

僕がこれらの曲を選んだのは、そのメロディーやアイデアが西洋のモダンミュージックに深く根付いているからさ。この曲達は楽曲としてのクオリティも極めて高い上に、たくさんの人に知られている。こういった素晴らしい曲達に対する僕の解釈は、これからも僕の音楽のテーマとして続いていくだろうね。