Christian ScottやTom Mischのツアーメンバーとしても活躍し、シーンの最前線でその実力が高く評価されているサックス奏者/ヴォーカリスト/マルチインストゥルメンタリストのBraxton Cook(ブラクストン・クック)。彼の最新作『No Doubt』の日本国内盤が本日全国発売された。

Mac Ayresとのコラボ楽曲“Roses”がSpotify再生回数140万回を超えるなどネクストスターとして注目を集めるBraxton Cookは、名門ジュリアード音楽院の学生時代にトランペット奏者Christian Scottの元でワールドツアーを回りキャリアをスタート。

並行してソロアーティストとしても活動を始め、EP『Sketch』(2014年)、『Somewhere in Between』(2017)をリリース。同アルバムに収録された4曲がアメリカのSpotifyのTop 50 Viralにランクイン。その後まもなく、アルバムの複数の曲が「State of Jazz」や「Alternative R&B」というプレイリストに選出されると、後に今もっとも影響力のあるプレイリストの1つである「The Butter」の表紙を飾るまでに至った。

 

 

そんな彼が完成させた最新作『No Doubt』に日本盤限定ボーナストラックを追加した特別仕様盤が今回リリースされた。本作はジャズからR&Bへとアプローチした独自のスムースでチルなサウンドがさらに洗練され、思わず何度も聴きたくなる作品に仕上がっている。

 

 

タイトルトラック“No Doubt”は元々の彼のフィールドであるジャズナンバーながら、アルトサックスの音色の上から彼のヴォーカルが重なり、キャッチーかつエネルギッシュな楽曲になっている。続く“When You Hold Me”では一転して90年代R&Bをベースにジャズに寄り添うような楽曲になっていて、頭の2曲で彼が本作においてジャズとR&B両方にスタンスを置きながら独自のスタイルに迫っていることを示すかのようだ。それ以降もD’Angeloのような厚いコーラスが響くバラード“For More”やPat Methenyのように爽やかに流れるようなジャズナンバー“We Major”などジャズ・サキソフォニストとR&Bシンガーの両面を巧みに織り交ぜていく音楽センスの高さには脱帽。日本盤にのみ収録された3曲のボーナストラックも、いずれも本編に収録されている楽曲に劣らない秀逸さなのでぜひ聴いてほしい。

過去にはMaxwell『Maxwell’s Urban Hang Suite』においてMUSZEが、Sadeの作品ではStuart Matthewmanがサックスによってそのサウンドの評価を一段階押し上げたように、Braxton Cookは『No Doubt』において一人二役によって自身の作品をより強固なものに仕上げている。玄人も唸らせる熟練のテクニックと、シンプルで耳から離れないキャッチーさが共存するハイセンスなBraxton流ジャズ/R&Bをぜひ堪能してほしい。

 

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