カリフォルニア州サクラメント出身の若手プロデューサー・The Philharmonik(ザ・フィルハーモニク)。プロデュースに加えて歌、ラップ、鍵盤演奏、エンジアリングまでこなすマルチアーティストの彼のデビュー作『The Philharmonik』の日本限定盤が9月18日(水)についに全国発売された。

 

 

5歳の頃に母親と参加したコンサートをきっかけにクラシックピアノを習い始め、その後の聖歌隊への参加やヒップホップとの出会いを経て現在の音楽性を形成していったThe Philharmonik。その出自もあってか、影響を受けたアーティストにあげるのは、バッハやベートーヴェンなどクラシックの大家から、Stevie Wonder、Earth, Wind & Fire、Jimi Hendrix、Led Zeppelin、The Eagles、Ella Fitzgeraldといった70~80年代のレジェンド、さらにはKanye West、Alicia Keys、Chance the Rapperなど90~10年代に活躍するR&B~ヒップホップアーティストに至るまで実に多様だ。

その豊富な音楽的バックボーンから生み出される音楽はまさに変幻自在。彼にとってのデビュー作でもあるセルフタイトル『The Philharmonik』は、そんな自身のバックボーンをふんだんに発揮した自己紹介とも言える作品だ。敢えてクラシカルで泥臭いテイストを残したディスコ・ファンクや、黄金期のメロディの美しさを踏襲した正統派なR&B、Chance the Rapperのようにゴスペルの要素を取り入れたヒップホップなど、発したいメッセージに合わせあらゆる表情を見せる楽曲たちを作り上げている。

 


 

Phil Collinsにインスパイアされたソフトなバラード曲“Underdog”、グルーヴィーでメロウなヒップホップ黄金期を彷彿とさせる“Colors”、モダン・ヒップホップ・アンセム“Self Love”などをはじめキラリとセンスが光るキャッチーな楽曲には、世界全体や個々人が抱える問題に様々なアプローチで光を当てるシリアスなメッセージが込められている。

“Interlude”、“Dopeman”、“Neon Lights”そして“Pay Me”と4曲続けて展開される70年代風のファンク曲では、公民権運動や女性解放運動などで揺れた60~70年代アメリカの空気に似せるが如く、近年のドラッグカルチャーや資本主義が生み出す歪みなどに触れている。その他にも黒人コミュニティを苦しめる社会的、政治的問題について描写する“Immediate Gratification”と、その垣根を超えた希望のある明るい未来について論じる“Let Freedom Ring”の対比など深く知るほどに重厚感を感じさせる作品だ。

 

>オフィシャルショップでチェックする

>iTunesでチェックする

>Spotifyで聴く